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日常視点の目からうろこのビジネスアイデア、ちきりんアンサーブログ

介護事業者倒産過去最多?

介護サービス事業者の倒産件数が今年1月からの8か月で前年1年間を上回る・・・と。

報酬引き下げを見越して撤退した例も多くみられる・・・と。

ネットの記事をあれこれみると、すぐに倒産してしまったり、経営が不安定な事業所を選びましょう、と警笛が・・・。

 

本当にそうなのかな?倒産件数の増加以上のペースで事業所の数は増えているはずに違いない、と思い、確かめてみた。

厚生労働省の介護サービス施設・事業所調査によると、

平成25年調査での介護保険制度における全ての施設・事業所は、延べ34万3,039カ所。

平成24年度の調査では、32万4,076カ所。

事業所数は前年より約2万増えている。5.8%増。

平成26年度調査の発表はまだこれからだが、事業所の数は増えているはずで、今年1月からの倒産件数の55件が年末までに100件までに達しても、それほどインパクトのある数字にはならないのではないかと考えられる。

東京商工リサーチによると設立からまもない小規模事業所の倒産が増えているというから、開業より軌道にのせられない事業者が淘汰の憂き目にあっていると理解したほうがよさそうだ。

介護サービスは労働集約産業で、損益分岐点まで、短期間で規模を追求し拡大しなければ、事業を軌道にのせることができない。専門性を要し、素人から育てるのもままならない。事業構造の骨格は他の人材サービス業と同様であろう。

M&Aで施設・設備と人材を求める先も多いだろうから、撤退の決断は早いほど損切はしやすいに違いない。