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日常視点の目からうろこのビジネスアイデア、ちきりんアンサーブログ

起業は特別なこと?

日本では、起業というと特別なこととして扱われる。ものものしく息づまる検討を重ね・・・会社を辞めて独立するなどとカミングアウトすると、親不孝者扱いされたり、離婚を切り出される始末だ。

単純に職業選択のカテゴリー分けをすれば、起業は生活の糧を得るための選択肢のひとつでしかない。

 外国に行くと、起業するとは言わないで、商売をはじめる、という言い方をする。

東南アジア諸国では、エンジニアの大学を卒業でもしなければ、会社に就職する選択肢がものすごく少ない。あとは語学の大学を出ていれば、旅行会社とか通訳、ガイドなどの仕事につけるかもしれない。法学部、経済学部、文学部など文系学部は一部のトップ校や専門職を目指さない限りは、就職先がない。ベトナムでは大卒の就職率は10%くらいと聞いたことがある。日本でも毎年、就職内定率が発表されるが、まだまだ就職先はある。

日本は雇用システムが安定していて、学校を出て、就職する、のが行動規範だが、そんなのは海外では非常識である。

東南アジアの国では、学校を出たら、家業の手伝いをする。家族で働き手が不足していれば、途中で学校をやめて働く。家業がなければ、親せきや知り合いで働けそうなところを探す。なにか別のことをやりたければ、見よう見まねではじめてみるしかない。仕事がなければ、都市部へ移動するか、海外に出稼ぎである。一番簡単にはじめられるのは、店だ。マイクロファイナンスは自営業者の日々のつなぎ資金の調達手段だ。

18世紀後半から職人が家内工業になり、家内工業産業革命を通じ工場になり、雇用と被雇用の関係が生まれ、社会構造が変わっていった。

だから、将来は商売をしたい、と考える若者が多い。詳しい説明や理由などどうでもよく、雇用されるよりも雇用する側にまわったほうがよいというのは不文律だ。

日本では、起業もそうだが営業すること、ものを売ることに抵抗感を持つ人は多い。

商売をはじめることやものを売ることは生活の糧を得る選択肢の一つでしかない。

雇用されることも選択肢だし、雇用されないことも選択肢の一つでしかない、原始的かもしれないが、そんな風に割り切れれば、選択肢が広がって気楽に考えられるようになるのではないか。

来春大卒予定者の内定解禁日が10月1日だが、何十社受けてもまだ内定をもらえない人もいるだろう。内定がでなくて苦しんでいる人には申し訳ないが、固定観念を解き放てば、選択肢が広がってくるだろう。

それだけ受けられる会社があり、募集している会社の情報を入手できる日本の社会は高度な情報社会だと思うし、選択肢がたくさんあるということだ。